加工技法について
◆ゴールドメッキ
KGP(14KPG、18KGPと表記されることが多いです)
GP=Gold Plated (=“金メッキされている”という意味になります。)
18KGPはコアとなる金属(主に真鍮、シルバー)の上に“18金のメッキ加工が施されている”ということです。
一般的には下準備後にメッキの溶液に浸したのち、超音波洗浄など洗浄後に乾燥させます。
目安として、金メッキ(0.1ミクロン以下)の場合で、衣服との摩擦など日常使いで3ヶ月~1年程度でメッキ層が摩耗してきます。
ゴールドを使用したジュエリーであってもメッキ加工の厚さが異なり、次のように刻印がある場合もあります。
1M |
1μ(ミクロン)の厚さのメッキ |
3M |
3μ(ミクロン)の厚さのメッキ |
5M |
5μ(ミクロン)の厚さのメッキ |
1/10 |
0.1μ(ミクロン)の厚さのメッキ |
1/20 |
0/05μ(ミクロン)の厚さのメッキ |
しかしながら、刻印がないジュエリーについてはメッキの厚みまで情報を開示してない場合が多いです。
◆ゴールドフィルド
Gold Fill (14KGF、18KGFと表記されることが多いです)
製造方法は様々ですが一般的なパーツの場合、金の層を高熱と圧力で素材(真鍮)に圧着したもので、 圧着した「金の層の重量」が「素材を含む総重量」の1/20以上(5%以上)の場合、 ゴールドフィルド(金張り)と呼びます。
素材の総重量の5%を圧着されるため、メッキ加工より金の層が厚く剥がれにくいことが特徴です。
金メッキよりはるかに厚い層の為、表面が剥がれて下地の金属が露出することが殆どありません。
また、ニッケル、クロム、マンガン、コバルトの含有率は0.01%以下と、一般的にアレルギーを起こしやすい物質は殆ど含んでおりません。
純金製品のように長く愛用できる反面、ゴールドの金属自体が柔らかいため傷がつきやすい一面もあります。
◆ゴールドヴェルメイユ
ヴェルメイユと認められるためには、金の割合は少なくともK10以上必要であり、厚さは1.5ミクロン以上でシルバー925にコーティングすることがスイス貴金属業界規格で定められています。
熱で圧着させるゴールドフィルドに対しVERMEILは金を溶かしたものを純銀の上に"貼る"技法を用いますので手間がかかりとても贅沢な素材です。
カルティエ、ボッテガヴェネタ、シャルロットシェネなどハイジュエリーにも施されているこの加工はシルバー特有のずっしり感と厚く貼られた金層によってとても華やかでゴールドフィルドより一層純金に近い質感です。
そして、加工技法の中で最も耐久性に優れています。
また、アレルギーも起こりにくいと一般的に認識されています。
~K24のゴールドがアクセサリーに使われない理由~
ゴールドのアクセサリーは含まれる金の量が多いほど値段が高く、価値も高くなります。
ですが、よく見られるのはK18とK14、K10で、K24はあまり見ることがありません。
純度100%のゴールドなので、もっとジュエリーに使われてもいいのですが、ゴールドの金属自体が柔らかいので、純度100%のまま製品にすると、アクセサリーが磨り減ったり、変形しやすくなります。ゴールドの含有率が高いほど変色しにくいですが、傷がつきやすいので、摩擦や接触が多いジュエリーにはK24のゴールドはあまり向かない素材ため強度と上げるため他の素材が混ぜられたK18やK14が多く用いられます。
関連記事:ジュエリーの素材について